事業所全体で徹底すべきカスタマーハラスメント対策

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、介護職にとって大きな悩みの一つに挙げられる。介護現場でのカスハラは、利用者やその家族による暴言や暴行の行為が一般的だ。利用者による問題行為は、さまざまなものがある。たとえば「認知症だから」「体が思うように動かない人」「プライドが高い人」というような理由付けが可能である。そのため、介護職もある程度までの我慢やストレスコーピングができるだろう。しかし、利用者家族からのカスハラは理不尽に思うことも多く、納得できない内容ばかりだ。
どこからがカスハラに当たるかといった線引きはない。介護職本人が不快に感じた言動や、どんなに軽いものでも叩く、小突くといった暴行はカスハラと受け取るべきだろう。カスハラの線引きは、事業所全体で周知徹底を行うことをおすすめしたい。この周知がなければ、介護職が利用者やその家族から受けた不快な行為について、声を上げにくくなるからだ。

また、事業所において対応のための体制をあらかじめ整えておくこともカスハラ対策には大切である。カスハラが目立つ場合、対抗措置として介護保険制度上、サービス提供の拒否が可能であることを覚えておくとよい。刑法や条例違反などの違法行為、他人の権利を侵害する不法行為、契約違反などの債務不履行が認められた場合は、対抗措置が可能である。
カスハラによる対抗措置に関しても、利用者が不利益を被る可能性がある。カスハラ行為を未然に防ぐため、利用契約時に「カスハラ行為によってサービス提供拒否ができる」ことをしっかりと説明して理解を得ることも必要だ。